はじめての精通は中2の秋。
ネタは、団地のベランダの軒下から拾ってきた日本版ペントハウス。
イチモツを女体に入れるという行為を
想像しながら、右手をやさしいグーにして
ゆっくり、ゆっくり
すると、なにかが下半身にこみあげてくる感覚が、
次第に増幅されてくる。
このまま続けることを、ためらって、
手の動きを止めたものの、
身体はそのまま突き進んで
感じたことのない快楽が
全身を包んだ。
窓の外は、冷たい雨が降っていた。
一階では家族がリビングに居た。
いつもの光景だが、僕の中だけが
罪悪感に満ち満ちていた。
はじめて出会った賢者が、僕の前に
立ちはだかって、冷徹な眼差しで、
僕を見下しているようだった。